歪な恋は聖夜に始まる。

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 先端を口に含んだだけで喉の奥が疼き、じわりと目を覆う布地が濡れていく。設楽の体躯に見合った…否、それ以上の雄芯で喉の奥を突かれると思うだけで、真崎は頭の芯が痺れるほど気持ち良くなった。強請るように食まされた先端を啜り、肉傘のくびれへと舌を這わせる。 「うぅ…ッ」 「もっと欲しいか?」 「んっ」  ―――欲しい…。奥まで…。  そう思いながら必死に頷けば、微かな笑い声とともに一気に喉の奥へと肉棒を突き込まれた。 「うぐぅ…ッ、う゛ッ」  途方もない気持ち良さに目元の布地が更に水気を含む。呼吸すら設楽の手で管理されると思うだけで、真崎は言いようもない幸福に包まれた。  ―――あぁ…満たされる…。苦しくて…気持ち良い…。  これ以上ないほどに飲み込まされた熱が気道を塞ぎ、酸素が遮断されて頭の中が真っ白になっていく。何も考えずに済むこの時間が、普段気を張ったままで生活する真崎に安らぎを与えてくれていた。  小さく頭を振れば設楽の大きな手に髪を引き上げられ、真崎は酸素を貪る。あとほんの僅か吸い込もうと思ったところで再び喉を塞がれて、翻弄される事に快感を覚えていく。   ◇   ◇   ◇ 「あ…っ、あぅ…尊、も…ごわれ…ぅっ」     
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