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「真崎様。私が申し上げるのも差し出がましいとは存じますが、雪人様より真崎様は仕事へやっていると私どもは伺っております。どうか、頭など下げられませぬよう」
「っ…」
言葉に詰まる真崎に温和な笑みを浮かべ、桃井はあっさりと屋敷の奥へと消えてしまった。
呆然と立ち尽くす真崎の頭を、設楽は大きな手でくしゃりと撫でる。
「尊…わたくしは雪人様になんと言ってお礼を申し上げればよいのでしょうか…」
「仕事で返せばいいんじゃないのか? それよりも、今お前が機嫌を取るべき相手は誰だと思ってる」
「っ……尊です」
恥じらうようにそう囁く真崎の顔が僅かに赤い。
明日からまたお互い忙しくなる事を理解していた二人が、この後思う存分互いの欲求を満たしたことは言うまでもなかった。
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