定食屋の恋

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「おっちゃん……今年のイヴは日曜日だ」 そう言われて、おっちゃんはカレンダーを見る。 なるほど、確かに日曜日だ。 ふたりは顔を見合わせた。 すると、おっちゃんは俺の言わんとしていることがすぐに分かったらしく、渋い顔をした。 「カルビー……それはやめとこ?」 「まだなんも言ってない」 「どうせ東京に来いって言うんやろ?」 俺はこくりと頷いた。 おっちゃんがため息をつく。 「どんだけ昔の話や思っとんねん……今更会ったところであっちも迷惑……」 「"やってから後悔しろ"」 俺はおっちゃんに言い放った。 「……って言ってくれたのは、どちら様でしたっけ?」 これは、好きな子にアタックしようかしまいか、おっちゃんに相談したときに言われた言葉だ。 結局振られてしまったが、告白しなかったらすっごく後悔していたに違いない。 俺はじっとおっちゃんを見つめた。
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