定食屋の恋

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「おっちゃん……」 俺は畳み掛けた。 「"男やろ"」 これも、おっちゃんに言われた。 いつだったかは忘れたけど。 それを聞いたおっちゃんは、参ったと言わんばかりに大きく息を吐いた。 「……せやな」 おっちゃんは決意したらしい。 よし…… 俺はカウンターに向かって叫んだ。 「日本酒、これと同じのもう一つお願いしますー!」 「おいっ、カルビー……」 「おっちゃんなら、どうってことないやろ?」 あんたが強いのは知ってんねん。 俺はあんたに鍛えられたんやからな。 俺の心の声が聞こえたらしく、おっちゃんは苦笑いした。 こうして、男たちの夜は刻々と更けていった。
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