定食屋の恋

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(1) 「こんばんはー!」 声を張ると、厨房からおっちゃんが現れた。 「おお!いらっしゃい!」 俺はいつもの席に腰を下ろす前に、自分のお冷を汲んだ。 「もう明日か?」 厨房からの声に、俺はお冷を運びながら答えた。 「うん。明日から東京で、3日後には入社式。」 「ほぉ……えらい忙しいなぁ。友達とは遊べたか?」 「そりゃ、もう。これでもかってくらい」 「そりゃ、よかった」 おっちゃんは微笑んだ。 「6年間いた京都ともお別れか……長かったな……」 「まぁ、大学院まで出たからね……」
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