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「私、敬浩さんのこと好きよ」
突然の告白に、おっちゃんは固まった。改めてよし子さんを見つめると、30年以上経っても変わらないやわらかな笑顔がそこにあった。
「私、あの日も行こうとした。だって、クリスマス・イヴでしょ?私ウキウキしてた。その日は普段の何倍もおしゃれに時間かけて、お化粧にも時間かけて……でもね……ばれちゃって……」
最後のひとことで、おっちゃんはすべてを察した。よし子さんは穏やかな口調で続けた。
「両親は私たちのこと、前々からよく思ってなかったみたい……だから、クリスマス・イヴに会うって知ったときもいい気分はしなかったんでしょうね……」
よし子さんは深くため息をついた。
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