定食屋の恋

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一方で、おっちゃんは複雑な気持ちだった。 もともと、彼女を笑顔にさせるために来たつもりだった。結婚指輪を渡すことができればきっと喜んでくれると思っていたが、結果彼女を泣かせてしまった。 彼女の返事は長々待つとして……いま泣かせてしまった以上、この人の笑顔を見てからでないと、京都には帰れない……そう感じた。 どうしたもんか…… おっちゃんがあれこれ考えていると、携帯電話が鳴った。画面を確認すると、"カルビー"の文字が表示されている。 おっちゃんはこのとき閃いた。 そうだ……指輪でダメなら"あれ"をプレゼントしよう! おっちゃんは、急いで電話の相手にその旨を伝えた。
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