定食屋の恋

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** 「はいっ」 しばらくして、目の前に料理が出された。よし子さんは目を閉じて、その空気をいっぱいに吸い込んだ。 懐かしい香りだった。 彼女は目をゆっくり開けると、手を合わせた。 「……いただきます」 そう言って、久々の"ハンバーグ定食"に手をつけた。 もぐもぐ…… もうひとくち食べてみる。 もぐもぐ…… そして、出汁の効いたあの味噌汁も啜ってみた。 よし子さんは、ほわっと笑った。
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