定食屋の恋

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「食前酒」 早速おっちゃんは俺の席にグラスを運んできた。色からして、かなり濃い。 「酒か……明日早いんだけどな……」 「梅酒やで?カルビーなら、どうってことないやろ?」 カルビーとは、俺のあだ名である。 サークルの先輩に名付けられた。 "名字が軽部だからカルビー"という、なんとも安易な発想で。 客として来るサークル関係者は、俺のことを"カルビー"と呼ぶため、おっちゃんも自然にそう呼ぶようになってしまった。 最初は少し不服だったが、慣れとは恐ろしいもので、今じゃしっかり板についてしまった。もしかしたら、本名より"こっち"の方がしっくりくるかもしれない。
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