第1章

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運転席の男も助手席の女もそれぞれ鉈やボウガンを手にしてワゴン車から下り、梯子を下ろすのを手伝う。 梯子が門に立てかけられ、鉈を手にした男が上に登り門の内側にある広い庭を見渡して、彼を見上げる仲間に伝える。 「家の玄関の脇に、墓標らしい木が立てられた穴が掘られているのが見える」 コケ! 仲間に中の様子を伝えていた男の耳に鶏の鳴き声が聞こえ、それも伝えた。 「奥の方に鶏もいるみたいだぞ」 その声に女が嬉しそうに返事を返す。 「久しぶりに新鮮な肉が食べられるね」 梯子の上の男が門の内側に飛び降り、散弾銃を背中に背負った男とボウガンを片手に持った女がそれに続く。 男2人が門を開ける作業を始め、女はボウガンを構えて墓穴に近寄った。 墓穴を覗いた女が警告の声を上げる。 「これ、マネキンよ!」 その声が合図になったのか、門を開けようとしていた2人の男の背中に矢が3~4本ずつ刺さり、女の胸にも2本の矢が刺さった。 3本の矢を背中に受けながらも生きていた鉈を持った男が、家の方へ目を向ける。 ボウガンや弓、それに猟銃などを手にした男女が15~6人、家の中やその周囲から姿を表す。 姿を表した男女は鉈を持った男が動いているのを見て、ボウガンや弓を構えて矢を射る。 全身に5~6本の矢を受け鉈を握った男も絶命した。
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