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「──……あーあ、すんごい締まりのない顔して寝てるぞ……。俺たちからの誕生日プレゼント、喜んでもらえたみたいだ」
洗面器の中でひっくり返って寝ているチョメさんを、カイが苦笑いで覗き込む。
その肩の上で、魔女っ娘ありすんがフフンと得意げに鼻をそびやかした。
「今回もあたしの魔法、『亀にハーレムの夢を見せる』は大成功よ。みんなレシピの材料集め、ご苦労様」
「でもふわ……魔法の材料に、なんで精霊のスキップなんて項目が……」
つらたんな顔つきのわたあめ姫は、このチョメさんへの誕生日プレゼントの為にスニーカーの女神からスキップの猛特訓を受けた。
上達したかどうかは……チョメのみぞ知る。
「ニャ……わたあめ姫のスキップ……、じょ、上手だったニャリよ」
ヌコリンの作り笑顔が痛々しい。
今回の魔法材料は
『精霊のスキップ(わたあめ姫)』
『細マッチョの汗(カイ)』
『ネコが買ってきた裏地あったかパンツ(ヌコリン)』
それから……『コブタのワガママ(チャーコ)』。
チャーコの誘いに応じた時点で、チョメさんはありすんの魔法にかかって仲間達からのプレゼントを受け取っていたのだ。
「さあ、今夜はゆっくり寝かせてやろうぜ。どんな夢だったかは明日にでも聞いてみよう……」
そっと、そうっと仲間たちは、幸せなプレゼントの中にチョメさんを残してその場を後にする。
ブルースだったチョメさんの世界は、いつの間にか桃色の小夜曲に変わっていた……。
「……チョメ……。うちゃぎ……?」
お誕生日おめでとう、チョメさん♪
【五丁目のぶるーす おちまいプギ♪ 兎の助より(*´▽`*)】
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