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「……なんだチャーコ。ウチに何しにきたチョメ」
ブルースな気分で窓を開けると、オイラの舎弟”こぶたのチャーコ”が洗面器(我が家でのオイラのテリトリー。ポリプロピレン製、ダイナソーで324円)に前足をかけて覗き込んでくる。
「チョメさん、ヤボ用プギ。ちょっと顔貸してほしいプギ」
うむ。
この前教えた『遊んで欲しい時のニヒルでアクトーな誘い方』を尊守しているようだ。
だがあいにく、今日のオイラはそんな気分じゃない。
「いつものヤツらはどうしたチョメ。誰もかまってくれないのきゃ?」
「ヌコリンは”しもむら”へ裏地あったかぱんつを買いに、カイはお仕事で短いホラ穴を掘ってるプギ。あと、わたあめ姫はスキップの練習してて遊んでくれないん……」
「いろいろツッコみたいチョメが。一番気になるのは、わたあめ姫がスキップを出来ないと言う事実チョメ……」
オイラはカメ手をフリフリしてキッパリと言った。
「悪いが今日は遊べないチョメ。オイラさっき、秘蔵の録画『女だらけの組体操大会』を飼い主のジジイに消されて落ち込んでるチョメ」
するとチャーコはつぶらな瞳でこちらを見上げて、
「しゅん……」
と、しやがりましたとさ!
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