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「まさか。俺、まなから降りるつもりはないよ。当然俺も一緒だよ、まな。抜け駆けはなしだから」
「えーと、そうだよね」
何故かちょっとほっとする。こんな状態が永遠に続くのを良しとしてるわけじゃないけど。
正直なところ、まだこのうちの誰かひとりと二人きりになる心の準備はできていない。
安堵しながらもやっぱりよくわからない。
「だったら、何で結婚なんてワードが出てくるの?こういう関係のままじゃそんなの無理でしょ」
何かの比喩とかなのかな。自分たちと結婚したくらいの気持ちでよそ見するなとか。でも、そんなこと言われてもね。別に浮気したわけでもないし。気持ちや感情まで束縛されるのもなんだかな…。
わたしの腰の引けた抗弁に高松くんは厳粛に頭を振った。
「いや、そのつもりだよ。つまり俺たちはこの関係を維持したままでまなと結婚するんだ。俺たち三人に対して嫁さんはまな一人。言うなれば、まなはみんなの共通の奥さんになるんだよ」
「…はぁ?」
わたしは唖然として彼の顔を遠慮なくまじまじと見つめた。初めてこの人のこと、頭大丈夫?と疑ったかもしれない。
「だって。…どうやって?このまま自由な状態で関係を続けるとかならまあ、わかるけど。少なくともしばらくの間は。でも、結婚は一対一しかないよ?全然この状態と相容れないじゃん」
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