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でも、彼だってしたいこととしたくないことがあるでしょ、当然。口でしてもらうなんてデリケートなことかもしれないし。好きでもない女にそういうことをして欲しくないって男の人だって…。
「…眞名実」
ぎし、とベッドを鳴らして神野くんがわたしの前に膝をついた。心苦しそうな、切ない表情を浮かべてかがみ込む。
「…いい?そんなの、嫌とかなら。…遠慮しないで、断って」
「いいよ。…大丈夫」
彼がいいならわたしの方は何の問題もない。済まなそうに身を縮める神野くんの気持ちを楽にしたくてわたしは柔らかい笑みを浮かべ、その服の前に手をかけた。彼は首を横に振って自分でジッパーを下ろし、取り出す。わたしも手を伸ばしてそれを手に取り、ちらと視線を走らせた。
これが。…神野くんの。見た目だけじゃどこがどうってこともない。ごく普通だ。
どうしてこれでだけ、あんな反応になっちゃうんだろう。この人のことを特別に好きってわけでもないのに。セックスって本当に謎だ。
あんまりまじまじと観察してると不審に思われるので、大きく口を開けてそれを含む。神野くんが覿面にびくびくと肩を震わせ、声にならない声を上げた。
「…っ、う…!」
「めっちゃ気持ちいいだろ、神野。まな、お手柔らかにな。いきなり本気出すと速攻で出ちゃうぞ」
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