第18章 結婚するよ

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いや待て、そう言えばわたしちゃんとピル飲んでたんだ。その事実に思い当たり心なしかほっとする。いつも彼らが律儀にゴムを使ってくれるから何となく避妊のために飲んでる感覚が薄れるよな。でもよかった、避妊はやっぱ自分のコントロール下に置くに限る。無理やり妊娠させて既成事実を作ろうなんて人たちじゃないけど。リスクは一応考えておいた方がいい。 「…まな。幸せになろうな。俺たち…」 肌の感触を味わうように身体を擦り寄せて甘く呟く高松くん。上林くんもわたしの髪を撫で、唇の上に何度もキスを繰り返す。二人はともかく。 わたしの上にしっかりと乗ったまま、絶対に退く気がない巨大な猫のように目を細めて寝たふりをしてる神野くん。この人のことが一番よくわからない、やっぱり。 そこはかとなく幸せそうな、満ち足りた様子を見ると心が動かないこともないけど。こんな集団での関係を本音のところではどう思ってるんだろ。表面にこそ出さないけど、内心では二人の男の子たちの盛り上がりぶりに呆れてるとか?だけど性的な満足には代え難いから、とりあえずそんな気持ちは押し隠して周りに合わせて、欲情解消の恩恵に預かってるってことなのかな。 だって。…そんなこと絶対あり得ない、考えられないとは思うけど。仮にもほんのちょびっとでもわたしに気持ちがあるなら。こんな関係良しとするわけないじゃない?普通は。     
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