第18章 結婚するよ

26/45
前へ
/85ページ
次へ
きちんとお風呂に入ってしっかりご飯を食べて、人心地ついてからゆっくりでいいのに。てか、この様子だとうとうとしたくらいでほとんど眠れてもいないんじゃないかな。もし何なら、今日の約束なんか飛ばしたって…。 ふと思いついて、試しにと送信してみる。 『あのさ。もし嫌じゃなかったらだけど。うち来る?食べきれないくらい冷蔵庫いっぱいなんだ、いつも』 ちょっと間が空く。やっぱり引かれたかな。いきなりそんなこと言われても警戒するか。別に彼を部屋に引き入れて変なことしようとかいうつもりは全然ないんだけど。むしろ、神野くんに限って一人暮らしの部屋に入れても多分何も起こらないだろう、と思ったからこんな提案もできたんだけど。 向こうが抵抗あるならそれはしょうがないかな。 しばし思案する様子だったのはしかし、わたしにとって食われると怖気づいたからではなかったみたいだ。ややあってちょっと怖々、といった感じの返信がくる。 『ご家族の方とかは?一緒に住んでるんでしょ?』 そっちか。これで気が軽くなるかどうかはどっちこっちだな、と思いつつ説明する。 『もともと家族で住んでたとこだけど。今は一人なんだ。他の人には内緒なんだけど、神野くんはまあいいや。何か適当に作るよ。本当に食材余っちゃって、どうしようもないんだ。片付けるの手伝ってくれると助かります』     
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加