第18章 結婚するよ

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「うーん、うちの母親の作るのはさ。なんていうか…、味が濃い?っていうか。これ、ちゃんとわかめと豆腐の味がするじゃん。でも味が薄いって感じじゃない。塩っけが少ないのに、味がしっかりあるね。素材がいいとか?」 「いやうちの母も近所のスーパーで普通の食材買ってると思うよ。わたしもそこで買い物することあるから品揃え大体わかるもん。…あの、もしかしたら出汁かな。違うとこあるとしたら」 思い当たってふと口にする。 「多分だけど、お家ではインスタントの出汁の粉使ってるかも。あれって手軽で便利だし。わたしは習慣で昆布と鰹節を使うから…。その分塩分が少ないかな。違いってそれくらいじゃない?」 「ああ、それかも。僕も台所なんか碌に手伝わないから他人のこと言えないけど。母親が昆布とか鰹節を扱ってるの見たことないよ。すごい、まめなんだな、眞名実って。こういうのはお母さんから教えてもらったの?」 「いやそういうわけでも。全部自分でやり方調べたよ」 正直にいうと、リュウの家に頂き物の昆布が大量に貯め込まれていたことが理由だ。煮て料理して食べるんじゃ追っつかないくらいの量があったので、せっせとそれを出汁に使うことにしていたら習慣になってしまった。今では彼の家からお裾分けをもらって自分の家でもそれを使うようにしてる。     
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