第百十九章『霊界突入 最下層の霊達』

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見たところ現世人の娘が二人。霊界に足を踏み入れたようだが、霊界に入ればここの掟に従うのは道理。にも拘わらずこのような殺生を起こすなど不埒千万(ふらちせんばん)。さらに、そのような武器まで霊界に持ち込むとは、娘といえど厳しい処罰を与えねばなるまい」 そう言ってアーネットを睨んできた。 周囲の霊達はこれをまっていたと言わんばかりに、 「そうだそうだ、守護神様、どうか厳罰を与えてください!」 「生意気な娘は裸にひん剥いて火あぶりの刑にしてやりましょう」 と次々と野次が飛んできた。それでもアーネットは冷静を保ったまま 「その蜘蛛は、そちらから難癖をつけて襲ってきたので、切り捨てたまでで、私には何の落ち度もありません」 と、しらっとした顔で守護神に向けて答えた。例え立派な体格の守護神だろうが、さっきまで巨人と戦っていたことを思えば、何の怖れも感じなかった。そのアーネットの態度に挑戦的な態度を感じた守護神は 「お前、娘にしてはなかなかいい度胸をしているな。このワシを前にしてまったく気後れを見せぬとは。そういう生意気な娘にお仕置きをするのは嫌いではないぞ」 と余裕を見せて言った守護神はニヤリと笑うと、腰から剣を引き抜きアーネットに向けて構えた。アーネットも渋々といった表情で妖刀を抜くと構える前に一言だけ守護神に警告した 「私の用は、天界に行き『破滅の術』なるものを発動させることにある。邪魔さえしなければ、こちらからお前達に危害を加えるつもりはない」     
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