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と響き渡る金属音がして火花が周囲に飛び散った。交じり合った剣はギリギリと音を立てて力比べの様相を呈していた。それは体格でまさる守護神が力で負けるハズなどないと思ったからだ、アーネットが耐えかねて剣を外したら、一気に踏み込んで斬り殺してやろうと思っていた。
ところが。アーネットが一瞬剣を引いたと思った次の瞬間、再度「ふんっ」と剣に力をいれて交えた剣を押し込むと、その力によって守護神は剣ごと吹き飛ばされ、無様な恰好で吹き飛んだ守護神は地面に顔面から落ちて、持っていた剣は半分からポッキリと折れてしまった。
「ええええええええええええーーーーーーーーーーーー!!」
と周囲の霊達から驚きと落胆の声がもれた。まさか守護神が半分ほどの体格の娘に力比べで負けるとは。いや負けると言った次元ではない。圧倒的な力の差によってねじ伏せられるのを見せつけられたのだ。
「ば、バカな。そんなことがあるものか! 私がこんな娘に負けるなど、あるハズがない」
と守護神は情けない声で半分に折れた剣を振りかざして対抗しようとしたが、アーネットはそんな守護神に
「お前は神の端くれなのだろ? 己と相手の力量の差を感じることさえできないのか、神を名乗ることさえ憐れに思われるな」
と言い捨てた。
その言葉にガックリと肩を落とした守護神に勝負あったと言わんばかりにアーネットはレイラの方へ歩いていこうとした。その背中をみせた隙を狙って卑怯にも守護神はアーネットの背後を突き刺そうとしてきた。
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