共鳴

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世理には理由はわからないが、どうやらマルオは痩せることを恐れているらしい。 「丸岡は痩せたくないのかな?」 世理の言葉に頷くマルオ。 「痩せたらダメなんです…。元に戻っちゃう…」 どんな思いがあるのか、マルオの表情はこの世の終わりのように思い詰めたものになっていく。 「元に戻っちゃうってことは、丸岡は元々太ってたんじゃないんだ?」 マルオは再び小さく頷いた。すっかり意気消沈してしまった様子のマルオを宥めるように 「痩せたくない理由が何かあるんだ?俺でよければ聞くから、話してみる? …もちろん無理にとは言わないけど、話すと少しは楽になるかもしれないしさ」 優しく問いかける世理。マルオはどうしようかと暫く思い悩んだけれど、この人になら話してもいいかもしれないと思った。自分のことを決して『マルオ』とは呼ばないこの人なら、バカにすることなくちゃんと聞いてくれるかもしれないと、そう思った。 「あの…他人から見たらバカげたことかもしれないんですけど…俺……」 そしてマルオは幼い頃に麻未と理々子にされたこと、詩美との関係、中学の時の交際について、など自分の心の奥深いところにしまい込んでいたものを吐き出した。 「…俺、太ったらそういう目で見られなくなるんじゃないかって思って…実際そうだったし…。だから、だから、俺、太ってないとダメなんです。…痩せたらダメなんだ……」 話しながらマルオは徐々に下を向いていった。最後は自分に言い聞かせるような呟きになっていた。 世理はマルオの話を時々相槌を打ちながら静かに聞いていた。
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