共鳴

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なんだか変な告白じみたやり取りをしてしまったせいで、お互いに少し照れくさかったが、世理がはにかんだ笑顔を浮かべつつ 「そうか。じゃあ俺たちはお互いがお互いの特別な存在ってわけだ」 と右手を差し出してきた。 「特別同士、これからもよろしくな」 マルオはちょっと躊躇いながらもおずおずと世理の右手に自分の右手を合わせた。 「…こちらこそ、これからもご指導よろしくお願いします」 「丸岡、硬いなぁ。まぁ、楽しくやっていこうな」 世理は楽しそうにそう言って、繋がれた右手をブンブンと上下に振った。 世理の勢いに驚きながらも握手に応じたマルオは、今まで頑なに自分を縛り付けていたけれど、この先輩の前でなら少し肩の力を抜いてもいいのかもしれないと思った。うん、楽しくやっていけたらいいな、と。 それから数日で一学期は終わり、夏休みに突入した。
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