意識

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水田の様子を呆気にとられて眺めていたマルオたちだったが、世理がハッと思い出したようにマルオの顔を見る。 「丸岡も急いでる?」 「あ、いえ、俺は…別に大丈夫です」 「そうか、それならちょっと俺に付き合わない?」 「え、どこか行くんですか?」 「俺さ、今から叔父貴のところに行くんだけど一緒に行かないかと思ってさ。叔父貴ね、この近くでジャズ喫茶やってるんだ」 「…ジャズ喫茶、ですか…」 「そう、ジャズ喫茶。あ、大丈夫、至極健全な店だから。昼間はBGMにジャズが流れてる普通の喫茶店だよ。まぁ、夜は多少お酒も出すけどな」 世理が説明してくれるが、マルオはジャズ喫茶どころか、いわゆる普通の喫茶店にすら殆ど行ったことがない。お茶をすると言えばショッピングモール内のフードコートやセルフサービスのカフェ、せいぜいがファミレスだ。だから想像しようにも自分の中の資料が乏しく、うまく思い描けないのではっきりとした返事をすることもままならなかった。 そんなマルオの胸中を知ってか知らずか、世理は話を続ける。
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