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夏休みが明けて二学期が始まった。 休み明けのテストも終わり、授業も通常通りになった。夏休み気分が徐々に抜けてきた頃、登校して教室の自席に着いたマルオはそこはかとない居心地の悪さを感じた。なんだか周りがざわついている気がする。 思わず首を右に左に巡らせてみた。ただざわついているのではなく、クラスメイトがみんなマルオを見てヒソヒソしているように思えた。なんだろう…変な格好してるかな? と思わず自分の姿を確認するが特に変なところはなさそうだった。 「おっはー、マルオ!」 いいところに来たとばかりに、マルオは大急ぎで水田をつかまえて小声で尋ねた。 「なぁなぁ水田、なんかみんなが俺を見てる気がするんだけど、俺、どこか変?」 聞かれた水田はマルオの全身に隈なく視線を走らせた後で言った。 「それはさ、マルオが痩せたからじゃね?」 「え!?」 「夏休み前とは随分体形が変わったよな。俺のアドバイスが効いたか?」 ニヤリと悪代官の様な悪い笑みを浮かべた水田に言われて、マルオは改めて自分の体を見た。確かにズボンのベルトは穴がいくつか内側になった。そういえば部活にバイトに多忙な日々を送っていたせいで、食べる事に時間をかけていられなかった。体重計にも乗っていないから、今の体重がどのくらいなのかもわからなかった。 (ああ、しまったぁぁ!!) マルオはこの世の終わりのように青ざめた。 「ダイエット成功したんだな。よかったじゃん」 脳天気な水田の言葉は上滑りしていった。
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