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休み時間、ガックリと落ち込むマルオの席に、数名の女子がツツツと近づいてきて 「マルオ…カ、君、夏休み中に凄く痩せたんだね」 と、ほんのり頬を染めながら話しかけてきた。 マルオはどんよりとした眼差しを向けながら、その子の言葉に引っかかるものを感じた。名前の呼び方がぎこちないったらない。今まで通り『マルオ』でいいのに、何故急に苗字呼びにするんだろう。不可解さがマルオの眉間に皺を寄せる。そもそも入学してから今まで、女子に話しかけられたことなんてなかった。それが突然何なんだ? 「あの、マルオ…カ、君…」 だから、そのつっかえながら苗字呼びするのは何なの? 「何? いつもみたいにマルオでいいよ。何か用?」 自ずと突き放すような対応になる。それに気圧されたか、相手はしどろもどろになった。 「えっ!? あの、その、えっと…」 すかさず見かねた別の女子が言葉を繋ぐ。 「えっとね、どんなダイエットしたのかなぁって…。私たちもダイエットしたいんだけど、なかなか思うようにいかなくて。丸岡君のダイエット法を教えてもらいたくて」 マルオと呼べばいいのに、そう言ったのに苗字呼び。マルオは不可解から不機嫌になり、眉間に寄せられた皺は深さを増す。 「俺は別にダイエットなんてしてないから。痩せたいなんて思ってもないし」 言い捨ててマルオは席を立った。
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