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「なぜって俺も里帰りだから?君の隣の家のだけど」
「正義≪まさよし≫さん?」
「気付かなかったか?あっ、そうそう子供のころに君の体は見たから見ても興奮はしないよ」
「余計なお世話だし成長してるわ!!って何言わせるの?」
「これでもまだダメか?……どこまで強気なんだって言っても子供の時からそうだったか」
そう言うと彼は私の体を自分に近づけて抱きしめた。そして私の顔をそっと自分の胸にに優しく添えるようにさせる。
(なんだろう、このそわそわ感。あれ、おかしいなぁ、私の目から涙がこぼれてる)
「声出してもいいんだよ。俺は今も昔も変わらねぇ、深優の泣き顔や声は知ってるからよ」
彼の言葉に従って泣きわめいてしまった。思う存分に。それから三十分した後、私は彼に事情を話した。そしてある店に向かった後、両親がいる病院に行った。
病室の名札に父親の名前が見えると、「何を言えばいいのか」と私がそわそわしていると正義さんは後ろから頭を撫でてくるなり、「大丈夫だ。俺がいる」と言ってくれた。私は扉を開けると、交通事故で植物人間と化してしまった父親がそこにいた。そのそばには母親が看病をしていた。
「ねぇ、あなた。深優が来てくれましたよ。それに正義さんも」
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