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「では、そこに行かないか?」
「はい、是非」
ふわりと柔らかく笑う瞳が、見守られるような温かさを持つ。こんな視線を向けてくれる相手に出会うのは初めてで、オリヴァーは多少戸惑ってしまった。
「あの、私のこれは貴方の目に奇行に映らないのでしょうか?」
友人達はそういう。オリヴァーも自覚がある。ついつい興奮してしまうと周囲の状況も考えずに思い浮かぶままにまくし立ててしまう。初対面の人間には驚かれ引かれ、知っている友人達にはある種の病気と認識されている。
だがアレックスは笑って首を横に振った。
「好きなものに対して熱くなる気持ちは、誰もが持っている。貴方はそうした気持ちを、誰かに訴えかけたいのだと思える。知ってもらいたい、そういう気持ちもあるように思う。こうして話していても、貴方はちゃんと会話をし、俺の事を気にしている。理性のある人物だと思える。だから、微笑ましく愛らしくは映っても奇行とは思わない」
胸の奥にグッと響く。次にはドキドキとした感情が浮かぶ。
純粋に嬉しい。理解してもらえていることが嬉しいのだ。そしてこんな相手は、今までいなかった。
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