オリヴァーの友人

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「アレックス殿、私は今とても嬉しい。私を変人と言わない貴方が、理解してくれようとしている貴方が嬉しい。そして私は、貴方の事をより知りたいと思っています」  花も綻ぶような笑みを浮かべ、オリヴァーはアレックスを見上げ指で唇に触れた。頬に手を伸ばし、ほんの少し近づいて、拒まないから唇で触れる。  重なった部分から痺れるような感覚が背をくすぐる。甘い痺れはちょっとだけ、瞳を潤ませた。 「今は、ここまでにいたしましょう。私は簡単に貴方を手放したくは無いと思っているようです。だからこそ、一晩でさようならにはしたくない。貴方を知って、貴方を感じて、後悔の無い夜が欲しいのです。これは、私の好意の証。そして、次の約束です」 「光栄だ、オリヴァー殿。俺も貴方とはもう少し側にいたい。だからこそ、ここまでにしよう。約束は、次の安息日。時間は十時にラセーニョ通りの銅像の前でどうだろう?」 「お昼を軽くご一緒して?」 「町を歩いて話をしながら次の店へ」 「夜は?」 「気持ちが乗れば夕食を一緒にするまでにしよう」 「その次は、あるのでしょうか?」 「それは次の休みをいかに過ごせるか、ではないかな?」  互いに微笑み、うなずき合う。オリヴァーは満足だった。少なくとも彼と約束を重ねる間は楽しいと思えるのだから。
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