オリヴァーの約束

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 昔活きの悪い魚のマリネを食べて当たった事がある。それ以来マリネは食べないし、臭いに敏感になった。 「では、今日の気分などは?」 「…パスタ?」 「では、パスタの店に行こう。種類が豊富で美味しい店を知っている。スープと、焼きたてのパンも美味しい。パスタの量も選べるから、食べ過ぎを心配する事もない」 「それは良いですね」  トマトのパスタが食べたい。鶏肉とナスのトマトパスタがいい。少し辛めのアラビアータもいい。オリヴァーの中でパスタというとスパゲティだ。ラビオリやペンネではない。 「では、行こうか」  アレックスに促され、オリヴァーは恋人のような距離で彼の案内に従った。  店は雰囲気もよく、美味しい店だった。せっかくパスタの量をセーブしたというのに、焼きたてだという小さなパンが美味しくてついつい食べてしまった。  食べ過ぎた事を反省し、散歩がてらに公園まで足を運ぶ。遊ぶ子供達を見ながらのんびりと歩いているのだ。 「それにしても、オリヴァー殿はよく食べるのだな。てっきり食が細いのかと思っていた」 「お恥ずかしいです…」  これでも騎士団の中では小食な方だ。だが、騎士団の常識が一般の非常識なんてことはよくある。好きなものに勝てなかった意志の弱さもあって、オリヴァーは面目がなかった。 「咎めたのではないよ」     
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