オリヴァーの友人

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「貴族らしい振る舞いはあまり得意ではなくてな。自分が共感出来る事業に投資し、上手くいけばフィードバックがある。現在は少し離れた温泉保養地の宿に投資している」 「温泉保養地の宿…ですか?」 「何でも客が老人ばかりで静かすぎるから、恋人達を狙った密室性の高い宿にしたいと話があって、少し。恋人達の密やかな夜というのは、是非とも確保してあげたいだろ?」  悪戯っぽい瞳が一つ軽いウインクをする。それに、オリヴァーも笑って頷いた。 「人目があると途端によそよそしい振る舞いをしてしまう事もある。俺や貴方のように特殊な性癖では特に、周囲に見られる事を気にしてしまう。そういう事に気兼ねの無い場所を用意する事も、いいだろ?」 「同感です。なんともじれったい人が多い私の周辺の人間には、そうした趣向の場所も必要かもしれませんね」  アシュレーもウェインと二人きりなら、案外優しくなるかもしれない。まずはウェインがアシュレーの好意に気づく事が出来ないとダメだ。  それにもう一人、ファウストの事も気になる。ランバートはいい相手に見えるのに、どうも頑固すぎて手を引っ込めている。  第一頑固なあの人が好意を持ち、部屋に招き、世話を焼き、あまつさえ部屋に泊めるのだから十分だ。何を躊躇っているのかが分からない。あんな良い相手はそうはいないと言うのに。     
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