第23話

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携帯のアラームが鳴っても、桃子は暫く手を伸ばすことさえできなかった。 「ううーん………、ダメだぁ…」 うつ伏せの状態で熟睡している柚琉をチラっと見て、桃子は携帯を取るとまたベッドに倒れた。 「会社は無理だな……」 そうつぶやいて、桃子は溜息をついた。 まるで砂が入っているように体中が重い。 (昨日は…すごかった……) 昨晩というよりもつい先ほどまで、柚琉と交わっていた。 (やっぱり……若いから体力あるのかな……) 桃子は改めて感心してしまう。 (柚琉…) 彼が、すぐ隣で眠っている。 それが嬉しくてたまらなかった。 「やっぱり……柚琉がいて欲しい」 無防備な寝顔を見ていると、また切なさが溢れてくる。 「好き……」 桃子は柚琉の裸の背中に、頬を寄せる。 「柚琉、大好き……、愛してる……すごく、愛してる…」 何度もそうつぶやいて、彼の黒い髪を撫でた。
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