397人が本棚に入れています
本棚に追加
/180ページ
携帯のアラームが鳴っても、桃子は暫く手を伸ばすことさえできなかった。
「ううーん………、ダメだぁ…」
うつ伏せの状態で熟睡している柚琉をチラっと見て、桃子は携帯を取るとまたベッドに倒れた。
「会社は無理だな……」
そうつぶやいて、桃子は溜息をついた。
まるで砂が入っているように体中が重い。
(昨日は…すごかった……)
昨晩というよりもつい先ほどまで、柚琉と交わっていた。
(やっぱり……若いから体力あるのかな……)
桃子は改めて感心してしまう。
(柚琉…)
彼が、すぐ隣で眠っている。
それが嬉しくてたまらなかった。
「やっぱり……柚琉がいて欲しい」
無防備な寝顔を見ていると、また切なさが溢れてくる。
「好き……」
桃子は柚琉の裸の背中に、頬を寄せる。
「柚琉、大好き……、愛してる……すごく、愛してる…」
何度もそうつぶやいて、彼の黒い髪を撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!