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目覚めるとそこは野外階段の踊り場だった。
彼、鈴木勇太は怯えていた。
しかし、同時に殺意に満ちていた。
周りの全ての人間に。
彼の日常は1ヶ月前に変わってしまった。
彼はいつものように学校から家に帰るところだった。
横断歩道で信号が変わるのを待っていたとき、居眠り運転の車がいきなり突っ込んできた。
彼は車に轢かれ重症を負った。
その影響で彼はシンクロという特殊能力を手に入れた。
周りの空気や音に同調し、異物や違和感に気づくようになった。
さらに、人の嘘や殺意も分かるようになった。
食事をしているときも、授業を受けているときも、街を歩いているときも。
それは彼の心を確実に蝕んでいく。
そして等々、彼は殺人を起こすようになる。
捜査一課刑事、近藤拓哉は事件を捜査するなかで勇太に目をつけ、彼を調べる。
しかし、彼を捜査するうちに彼の心も少しずつ蝕まれていく。
勇太は能力を使い、拓哉の捜査網を掻い潜っていく。
そして殺人を繰り返す。
ついには拓哉の家族にまで手をかけた。
それにより拓哉は勇太を殺すことを決意する。
拓哉は1人で勇太に挑む。
シンクロを持った裕太だが、能力を使いすぎたため脳にダメージを負い、体は限界を迎えていた。
結果、双方深手を負い、命を落としてしまう。
こうして、恐怖の日々は終わった。
誰1人幸せになることなく。
今まで信じていたものに裏切られ、世間の殺意を感じた青年は、戻ることのできない闇に落ちていく。
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