4

2/2
前へ
/8ページ
次へ
その夜、食卓の上には、3個の林檎をそれぞれ4切れに切り分けた、12切れの林檎が大皿に盛られていた。それを母さんが「1人3切れずつね」と言い、それぞれの小皿に3切れずつ取り分けた。 食事が終わり、さぁ!デザートだ!オレが買ってきた林檎だ!と、自分の小皿を見ると、その上には4切れ乗っていた。兄さんの小皿にも。 父さんと母さんが1切れずつ、オレと兄さんに分けてくれたんだ。 オレは、せっかく母さんに買ってきた林檎なのに…と思ったけど、オレと兄さんが、嬉しそうな顔で林檎を食べるのを見ている母さんの顔が、特別に嬉しそうに見えて、オレはもっともっと嬉しくなった。 きっと、母さんが魔法をかけた林檎をみんなで食べたから、家族のみんながこんなに嬉しそうな顔になったんだって、オレは思ったんだ。 (おわり)
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加