プロローグ

1/1
36人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ

プロローグ

男は死を受け入れていた。 ベッドに横たわる痩せた体は、すでに指一本動かせず、呼吸をするのもやっとというありさまだ。 それでも男は怖くなかった。 「全て用意は整っているよな?」 息も絶え絶えに尋ねる男の側には、美しい女が立っていた。 「ええ…」 「あとは、君に…任せ…る」 男が静かに目を閉じると、女は男の心臓が止まったことを確認した。 「おやすみなさい…」 女はゆるやかに微笑んだ。
/148ページ

最初のコメントを投稿しよう!