死神の名刺

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「呪いのキャンセルですね。承りました。早速、お仕事に入らせて頂きます。チチンプイプイ、チチンプイプイ、プイプイのパー!」  電話の向こうで自称天使が呪文を唱えるとトイレが光に包まれた。それと同時に攻撃がやみ壊れた扉が綺麗に元通りになった。  俺は扉をなでると大声で叫んでやった。 「ふん、なにが死神だ。なめやがって!」  途端に心臓が締め付けられ首筋に血管が浮かび上がってきた。苦しむ俺の手のなかで携帯電話から天使が明るく笑いかけてくる。 「申し遅れました。天国商会の精算は『徳』払いになっております。天狗になられますと突然死も御座いますのでお気をつけ下さい」
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