殺人ダイヤル

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 俺はすぐさま予備の携帯電話を用意した。経験上、番号の違う携帯からダイヤルすれば詐欺師が電話を取りやすことを知っていたからだ。だがやめよう……。  俺は予備の携帯電話を机の上に投げるとシャワーを浴びた。男は仕事が終われば連絡をすると言っていたのだ。それまでは信用と言う形で待ってやろうじゃないか。  俺は風呂から出てくると、缶ビールを片手に、野球の試合をテレビで見た。俺は疲れていたせいか、そのまま少しの間、眠ってしまった。インターホンの音が鳴り目を覚ます。あくびをしながらソファーから起き上がると、事務所がわりに借りているマンションの玄関の外に顔を出した。  誰もいない。その代わりにかなりの大きさのダンボール箱がそこに置いてあった。  表面にマジックで、松浦様、と書いてある。俺、宛だ。このままここに置かれても邪魔なので箱を動かそうとした。  だが重くて運べない。誰の悪戯なのか。俺はイラつきながらダンボール箱を開けて見た。  体がビクリとなり、目を疑った。そこに入っていたのは俺のことを可愛がってくれているゴシップ誌の編集長の遺体だった。  部屋の奥で携帯が鳴る。驚きながらも電話に出ると相手はあの男だった。 「お客様のご依頼通り仕事を遂行しましたが、ターゲットに間違いはありませんね?」     
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