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確かに間違いない。たかだか十万で殺しなどしないと高をくくっていたので、無断で編集長の名前と住所を借りていたのだ。
俺はダンボール箱のなかの遺体を見下ろしながら出来るだけ冷静に振舞おうとした。
「……あ、ありがとうございます。でもなんで遺体を私の家に送りつけてきたんですか?」
「殺しと言うのは簡単なものなのですが、遺体の処理と言うのは案外、難しいんですよね」
「……ど、どういう事でしょうか?」
「口止め料、一億円ほど頂きたいのですが?」
「い、一億っ……!」
言葉を失う俺の耳元で男はクククク……と声を殺して笑った。
「びた一文負けられませんよ。我々どものサービスはお客様の人生を終わらせるためにありますので………」
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