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「貞子じゃ」
霊的先輩が、そう言った。
「何が?」
俺は聞く。
「美杏が貞子じゃ」
「はぁ? んなわけねーだろ」
俺のそんなツッコミも知らんぷりで、先生が話し始める。
「闇野さんによると、霊管理所から、あの貞子の霊が、美杏さんのスマホから逃げ出した
らしいです」
「マジか。貞子何でテレビじゃなくて、スマホから逃げ出したんだよ」
「知るか」
琴梨がそう言って、霊的先輩に近づく。
「死んでる」
「いや、さっきまで生きてただろ」
「違うぞ」
「あ、生きてる」
霊的先輩は、顔を上げる。
「早弁じゃ」
顔のしたには、ドーナツが。
「もうおせーよ。昼飯終わってるよ? 弁当2個持ってるの? 何でドーナツ? おやつ
じゃん」
「みなさん、貞子を召喚しますよ」
先生が変な事を言い出す。
「せんせー、どうやってしょーかんするんですかー?」
「ひとまず、学校中のパソコン、テレビなどに、このお札をつけてください」
先生はそう言って、お札を渡されたが............。
「せんせー。これ、本当に効くんですか?」
そのお札は、明らかに先生が手書きで書いたと思われる、ラクガキ......いや、赤ちゃんの
お絵かきみたいなのが書いてあった。
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