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「ん~カギヤさん、今日の昼間、優羽くんの自転車の鍵を直した後ボクにメールくれたスよね?」
「うん」
優羽の名前にドキリとしつつも、マリネの言葉を聞いたカギヤの体が軽く緊張する。
「メールの文章を基に、ボクが目星を付けた店が映っていそうな街の防犯カメラ、数ヶ所アクセスして映像を分析したんスけど」
「さすが仕事が早いね。どうだった?」
「カギヤさんの予想通りだったス。ヒットしたス」
「よし!やっぱり、そうだったのか!」
カギヤは思わず拳を作り、ガッツポーズをとった。
「マリネちゃん!すごい技術だよ!こういうことは君にしか任せられない!」
「ん~あんまり褒められると照れるス。でもボクには心に決めた白衣の天使がいるから惚れちゃダメスよ?」
「惚れないよ!だって、僕は……」
そこまで言いかけて、カギヤの表情が見る間に暗くなっていく。
「やっぱりカギヤさん、優羽くんに振られたんスか?」
「いや……振られたも振ったもなにもないよ……優羽君をアンダーグラウンドに関わらせることなんて、できないんだから……」
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