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「仕方ないや……出よっか」
もしも何か思い出したら連絡を、と携帯電話の番号を書き残してから美夜子たちは店を出る。
「はぁ~ん……」
「あはは、なによそのため息」
織江が笑う。美夜子は歩きながら肩を落として、
「せっかく来たのに見事に空振りだったんだもん。そりゃ落ち込むよ~」
「まぁまぁ、そういうこともあるって。べつにこれで打つ手がなくなったってわけでもないんだし、気を落とすなよ」
織江が励ますように美夜子の肩を叩いて言う。美夜子は織江の胸元に抱きついた。
「うぅ~織江ちゃん優しいよ~! 好き~!」
「お~よしよし、後でアイス買ってやろうな~ははは」
乃神が一歩離れたところでため息をつく。
「何やってんだお前ら……」
――とりあえず車の場所まで戻ったら、それから支社に帰り薔薇乃に調査について報告、あとは朝まで少し休憩……ということになるだろう。
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