第五章――凶なる襲撃

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 美夜子たちは路地をそのまましばらく歩いて、来た道を戻る。そして、あともう一つ角を曲がれば、車を停めた通りが見えてくるというところまで来た――その時だった。  その角を右に回った瞬間――美夜子は視界の端で、暗闇の中に複数の人影を見た。 「――禊屋ッ!」  突然、織江が叫ぶ。その叫び声に重なって、破裂音のような「バンッ」という音が聞こえた。 「わっ!?」  美夜子は織江に真横から突き飛ばされ、そのまま道端に転倒する。次の瞬間、直前まで美夜子の頭があった位置に何かが風を切って飛んできた。それは後ろにあった壁に鈍い金属音を立ててぶつかった後、美夜子の近くに落ちてくる。 「っ……!」  それが何なのかを認識して、美夜子は背筋に冷たいものを感じた。――ボウガンの矢だ。鋭利な矢尻を備えた金属製の矢。織江が助けてくれなかったら、間違いなく死んでいたところだ。
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