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「来た道を戻って、反対側の通りへ抜けろ。乃神さん、禊屋をお願いします」
「わかった」
乃神が頷く。
「で、でも織江ちゃんは?」
美夜子が尋ねると、織江は小さく笑った。
「なーに? 私の心配してんの? あんな奴ら、百人相手にしたとしても余裕だって。でもあんたや乃神さんを守りながらってのは、ちょーっとツラいんだよね」
織江は美夜子の頬にそっと手を触れて言う。
「わかったな? ほら、さっさと行け!」
「……ッ!」
美夜子は頷いて、乃神と共に男たちとは逆方向へ走り出した。
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