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正面の男がわざと織江を威圧するように顔を近づけて、馬鹿にしたように笑う。
「はははっ! なに? どーしたの? キスでもしてくれんのかよ?」
「なんならストリップでもいいんだぜー?」
「ぎゃははは! いいぞーやれやれ!」
男たちが囃し立てる。
織江は肩をすくめ、大きなため息をつくと――とびきりの冷笑を浮かべて言った。
「なんだ……どいつもこいつも、全然わかってないんだな?」
「……はぁ? なにが!?」
男がイラついたように聞き返した。織江は更に男たちを煽るように言う。
「キスするのはそっちのほうだろう、ボクちゃん達? ただし、私の足に……だけどな」
「あぁ……?」
織江は、正面の男の怒りが許容量を突破するのを察知した。更に追い討ちをかける。
「ほらどうした? さっさとやれよ意地汚いカス虫ども。跪いて、私の足にキスしろ」
「――るっせぇんだよボケがッ!!」
男は右手に持ったボウガンで織江の側頭部を殴りつけようとする。怒りに任せた大振りな攻撃、織江にとって躱すのはわけもない。織江はそれを上半身を屈めることで回避、同時に身体を右側に捻り、回転する勢いに乗せて右肘で相手の顎を打ち上げた。
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