第五章――凶なる襲撃

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 ――美夜子と乃神は、ようやく一息ついたところだった。あのチンピラ達は追いかけてくる様子はない。織江が食い止めてくれているのだろう。 「……大丈夫か?」  乃神は美夜子に声をかける。 「う……うん。なんとか……」  美夜子は息を切らしながら答えた。 「これ以上は走れそうもないな……。まぁ、静谷が残ったんだから追っ手が来る心配もないとは思うが……一応、向こうの通りに出るまで早足で行くぞ」 「ご、ごめん……」  酸欠で頭がくらくらする……ほんの一分ほど走っただけでこれだ。これでも昔よりはマシになったのだが……こういう時はいつも、自分の体力のなさを呪いたくなる。
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