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――美夜子と乃神は、ようやく一息ついたところだった。あのチンピラ達は追いかけてくる様子はない。織江が食い止めてくれているのだろう。
「……大丈夫か?」
乃神は美夜子に声をかける。
「う……うん。なんとか……」
美夜子は息を切らしながら答えた。
「これ以上は走れそうもないな……。まぁ、静谷が残ったんだから追っ手が来る心配もないとは思うが……一応、向こうの通りに出るまで早足で行くぞ」
「ご、ごめん……」
酸欠で頭がくらくらする……ほんの一分ほど走っただけでこれだ。これでも昔よりはマシになったのだが……こういう時はいつも、自分の体力のなさを呪いたくなる。
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