二人のサンタ

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「すいません、俺もあのお店、ずっと気になってたんで。……て、俺たち、初めてのクリスマスを堪能してませんか?」  大輔は本気でそう思ったのだが、晃司が怪訝そうに眉を寄せる。 「うちの狭いアパートで、えっらく質素なクリスマスでも、か? お前……金のかからない、財布に優しい恋人だね」  よしよし、と頭を撫でられたが、少し馬鹿にされた気がして、大輔は不服げに頬を膨らませた。 「男二人なんだし、これぐらいがちょうどよくないですか? 男二人でお洒落イタリアンとか、目立ってしょうがないだろうし……俺、そんなにメンタル強くないし。……て、晃司さん?」  大輔の話の途中で、なにか思い出してニヤつく晃司をジッと見つめる。 「昔……学生の時な、男二人でイルミネーション見にいったの、思い出した」 「……大学生の時、付き合ってたっていう、同級生ですか?」  なぜか大輔は、前に晃司から、晃司の恋愛遍歴を聞かされている。体の関係を持った相手は、晃司本人も全ては把握できおらず、恋愛関係にあった、もしくは何度か関係を持った相手――風俗関係は除く――の話を聞いたことがある。  その中に、何人か気になる人がいる。一人は、晃司が男性で初めて付き合ったという、大学時代の恋人だ。     
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