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平仮名の振られたシンプルな手紙だった。
春香は手のひらのどんぐりを見つめた。
それは春香が昨日の夜、部屋から投げたものだった。あの時の一つが一階のウッドデッキで跳ね、正樹がそれに気づいたのだ。
春香は少しはにかむと、パジャマのズボンのポケットのなかにどんぐりをしまった。
その後、春香はお母さんにお願いして、生まれて始めて手紙を書いた。
『まー君へ。春休み東京へ行きます。どんぐりの切符を使って猫バスに乗って遊びに行きます。また遊んでね。春香』
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