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「で、その子とは結局どうだったのかな?脈はありそうかな?勿論先生も応援するし何か手伝える事があったら」
「ええいじゃかわしいわ!ちょっと黙ってて下さい!妄想で話を進めるな!今詳細に何があったか説明しますから!」
思いっきりキラキラした目で何があったのかな、何があったのかな、とワクワク胸一杯にこちらを見つめてくる先生……今にもかと僕が説明してくれる内容に期待している……に半分キレそうになりがら今日起こった事を説明した。
朝早くに木の実を採りに寄った森……そこで出会った少女のような少年のような……奇妙なネウス魔術学校の生徒……それを助けた事……そしてそこで話した会話の内容……。
「なるほど……なるほどぉ……」
先生は身を乗り出して食い入るように僕の話を聴いていたが、僕が話終わると、今度は急に目頭を押さえておいおいと泣きはじめた。
「え!?先生どうしたんですか!?」
「いやね……まさか私の教え子がこんな立派な正義感ある子に育ってくれるとは……本当に今日まで先生やってて良かった……」
「そんな大層な……」
まさかちょっと絡まれてた子を助けた話をしただけで、泣かれるほど感動されるとは思ってなかったので、ちょっと照れくさ困惑したけれど、先生がこうして泣く程僕の行動に喜んでくれているのを見ると、素直に嬉しくある。
今まで僕は先生がこうして人前で泣くところは見た事が無かった。
僕の剣の上達を一緒になって……むしろ僕以上に喜んでくれる事はあったが、流石に泣いてまで喜ぶ、なんて事は無かったから、こう涙もろいような人だとは思っていなかった。
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