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そんな先生の初めて見る側面になんだか不思議な気分になっていると、先生が不意に顔を涙でくしゃくしゃにしたまま僕に訊ねてきた。
「……で、その子はどんな子だった?可愛いかった?はっきり言って君のタイプかい?」
……完全に一瞬でさっきまで感じていた全ての感動を打ち消された。
「いや、もっとそれより他にあるでしょうが!性別が無いのがホントなのか、とか、なんで性別が無いのか、とか、なんで絡まれてたのか、とか、そっちの方が先でしょ!」
「性別なんて物は真実の愛の前では飾りに過ぎない」
「だからそういう話じゃない!もっとそこより重要な疑問が大量にあるでしょうって!」
「ごめん、確かにそうだね……んで、結局の所どうなのかな?」
「……あーはいはい、言えば良いんでしょ言えば。言いますよ……確かー……」
完全に先生のしつこさに呆れながら森で会ったあいつの顔を、姿を思い出そうとする。
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