本田八雲

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「あのな南」 「はい」 「禁煙するって言ってもすぐにできるわけじゃないんだ」 「はあ」 「すぐにはできないけど、南のためにもタバコはやめたいって考えてる」 「オレのため?」 「付き合うようになってからよくうちに来るだろ?」 「八雲さんの部屋落ち着くんですよ」 「副煙も怖いからさ。俺より南の身体のほうが心配だから」 「もうやだ八雲さんかっこいい好き」 南が背中に手をまわし、胸に顔をうずめて抱きついてくる。 俺は南の背中と頭に腕をまわして抱きしめ返した。 そして2人の顔が自然と近づき、触れるだけのキスをする。 「んっ…。八雲さんには禁煙してほしいけど、キスしたときのタバコの味八雲さんだーって感じるから好き」 「……お前はなんで俺の決意を簡単に揺るがすの」 ふにゃりと笑う笑顔が、徹夜明けには眩しすぎた。
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