第7話 長すぎた春の真実は

長すぎた春の真実は

ぎりぎりになって遼太郎に仕事を投下されたため、姉との待ち合わせには少し遅れてしまったけれど、姉は走ってやってきた私を見て嬉しそうに微笑んだ。

「忙しいのに、ありがとう。無理させてごめんね」

「そんなことないよ！　遅れてごめん。だって、りょ……」

遼太郎が悪いと言いかけて、寸でのところで止める。
いきなり遼太郎の名前を出すのはまずい気がした。
二人が今うまくいっていないのは確実だから。

「さ、料理頼もう」

姉とこうして外で二人で会うのは初めてだ。
母親たちの目がないところだと、それまでよりも素直になれる気がする。

血は水より濃いというけれど、長い時間を経て、こうして姉と向かい合うとやっぱり私にとって姉はずっと変わらず大切な存在だということを改めて感じた。

だから姉には昔と変わらず笑っていて欲しいのに、久々に会う姉は明らかに様子が変だった。