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「ものすごく後悔した。後悔してしまうことを、申し訳なく思う」
そこまで言ったあと、遼太郎は我に返ったように首を振り、顔を両手でこすった。
「駄目だ……飲み過ぎた」
崩れるようにしばらくカウンターに突っ伏してから、遼太郎はだるそうに起き上がった。
相当辛そうだ。
「お前はもう帰れよ」
「一人じゃ帰らない。一杯付き合えって言ったじゃない」
「一杯はもうとっくに終わっただろ」
遼太郎は焦点のぼやけたような目で、もう何杯目かわからないグラスを眺めた。
「終わってない。私はまだ一杯目なの」
途中から私は飲むのをやめていた。
アルコール度数が低いものでも、不慣れな私には十分だ。
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